【実施報告】多文化共生連続講座第3回 ワークショップ 医療通訳ボランティアのための「やさしい日本語」
12月11日(日)に令和4年度多文化共生連続講座の第3回として、
ワークショップ「医療通訳ボランティアための『やさしい日本語』」を実施しました。
講師に、順天堂大学医学部医学教育研究室教授、武田裕子先生にお越しいただきました。
武田先生は、「医療×「やさしい日本語」研究会」の代表で、
医療関係者へやさしい日本語を広める活動をされています。
今回のワークショップは、一般市民向けに行っていただきました。
普段外国人とのつながりがある方もない方も、通訳経験のあるかたもない方も、また
医療関係の方もそうでない方も様々な方が参加されました。
外国人=英語と考えがちです。ところが日本に来る外国籍の内訳データ(外務省)では、
1位中国、2位ベトナム、3位韓国、とトップ3までで全体の約半分を占め、
英語が母国語ではない人達となっています。そして外国人の方が困ることのトップは
「医療」だそうです。医療の現場で「英語」で説明されても、
困る患者が多数いるという説明がありました。
医療現場での「やさしい日本語」の必要性を聞いたうえで、
「やさしい日本語」のコツを教えていただきました。
例えば、一文を短くする。あいまいな言葉を使わない、尊敬語・謙譲語は使わない、
単語の前に「お」をつけないなど。
参加者のみなさんは、実際に医療現場で見聞きする単語や表現を、
「やさしい日本語」にしてみるという練習をしました。
「体調はいかがですか」⇒「元気ですか」(やさしい日本語の例)
「常用しているお薬はありますか」⇒「今、薬をのんでいますか」(やさしい日本語の例)
後半ではシナリオにそって、外国人4名の方に “模擬患者”役をしていただき、
参加者は医者からの診断をやさしい日本語で説明をするという体験をしました。
「骨折ではなく捻挫です」、「安静にしてください」「弾性包帯を渡します」など、
どうしたら外国の方に伝わるのか、やさしい日本語での表現を、頭をひねって
一生懸命探して伝えました。外国人模擬患者の方は、本来はとても日本語が上手で
理解できる方ですが、「来日して間もない頃」という設定でご自身の経験を基に
「ほうたい?って何ですか」「ねんざ?!」など日本語が分からない役を演じてもらいました。
参加者の皆さんからは、
「外国の方の反応を見ながら練習できたことが良かった」
「ロールプレイが大変有効でした」
「ワークショップが活発に行われたことが良かった」と、大変好評でした。
また、今後どうやったら、やさしい日本語を広めていけるか?
考えるきっかけになったとの感想もいただきました。
これで、今年度の多文化共生連続講座は終了となります。
今年度のテーマは「外国人支援の現場から」でした。
外国人が生活の中で一番困ると感じている「医療」に関して、
講義やワークショップから得た情報や体験を、私たちが暮らす“多文化共生社会”に
活かしていけると良いと思います。
ご参加いただいた皆様どうもありがとうございました。
来年度もどうぞよろしくお願いいたします。
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