【実施報告】「グローバル講座:「歴史の中の先住民族~幕末・明治の国際関係と北方民族を中心に~」

開催日:平成27年1月25日(日)

時 間:午後2時~午後4時

場 所:浦安市国際センター

参加者:30名

 

 

グローバル化が進む中、昨今においても、狭いコミュニティの中で独特の文化を形成する先住民族は世界に5,000も存在すると言われています。昨年9月にはニューヨークにて先住民族に関する国ハイレベル会議である「先住民族世界会議」が行われました。

 

 

【写真】国連の先住民族会議で話す琉球(沖縄)の女性

 

先住民族に関する国際的な関心は高まる一方、私たちは彼らの文化を深く知る機会がほとんどないかもしれません。例えば、日本の北端の地域に位置し、北方民族が住むサハリンは、フェリーで2時間程の距離ですが、一度も訪れたことのない人がほとんどだと思います。

 

 

 

 

こうした現状について知る機会として、今回は、足立学園から 濱口 裕介 氏 をお招きし、北方民族に焦点を当て、グローバル講座:「歴史の中の先住民族 ~幕末・明治の国際関係と北方民族中心に~」と題して講義をしていただきました。

 

■北方のエリア区分

講義の冒頭は、“北方”のエリアについて。具体的にどの地域が北方を表すのでしょうか。歴史を紐解くと、坂本龍馬が姉に送った手紙には「西は長崎、東は松前・蝦夷」という記述があるそうです。当時の地図で確認すると、今の北海道の函館付近までということだったようです。

 

 

北海道地域の大半はアイヌ民族の暮らす地であり、幕府とは重要な貿易先であったものの、日本の国政の外に位置していたためだということです。江戸時代に作られた、北海道に当たる大半の部分がすっぽりと抜け落ちた日本地図が印象的でした。

 

 

■先住民族

続いては、文化について。アイヌの人々は狩猟・漁猟・採取で得たものを松前藩やロシアといった隣国と、幅広く交易を行っていました。

アイヌの人々の作った木彫りや刺繍といった工芸品は現代でも世界的に高い評価を得ており、フランスのファッションブランドであるエルメスもアイヌの刺繍をあしらったスカーフ等をデザインしたことがあるそうです。

 

 

■先住民族地域への国家の侵略

幕府は松前藩に交易の許可を与え、アイヌとの貿易を独占していましたが、次第にアイヌとの対立が深刻化し、見かねた幕府が直接、蝦夷地経営に乗り出しました。

独自の伝統と文化を築きあげてきたアイヌは、幕府の侵略によって変革を迫られました。アイヌの人々を「日本人化」させようとする移民政策が始まりました。アイヌの人々は日本人のように髷を結い、和服を着せられ、日本語を話すことを求められたそうです。

 

また、外国の文化がどんどん流入していきました。講義では、黒沢明が監督した映画『デルス・ウザーラ』の一部を紹介していただきましたが、元々の文化にはなかった、以前はなかった「煙草」をふかすシーンが衝撃でした。他国の文化が急速流入し、他国の人々同じように暮らすことを余儀なくされたアイヌの人々は、文化・生活、あらゆる側面での変容があったことでしょう。そんな彼らの姿と、目まぐるしいスピードで技術革新を続ける現代に翻弄される私たちの姿を重ね合わせてしまいました。

 

【センターより】

講師の濱口さんは高校教諭というご職業だけあって、図や映像を随所に用いた巧みな手法で、先住民族という私たちには馴染みの薄いテーマについて、とてもわかりやすくお話をしていただきました。

国際センターでは来月以降も、日本にいてはなかなか触れることの出来ないような、他国の生活や文化に密着したイベントを開催していきたいと思います。今回ご参加いただいた皆様にはお礼を申し上げると共に、今後とも当センターのイベントにふるってご参加頂けるようお願い申し上げます。